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2023.04.24

【私たち】クラベール

FUWARI HAMANAKO再訪の旅 PART1

「整う」「整う」と言いますが、あれは何の事を言っているのだろうか。といつも疑問に思っていた。

子供の頃は電車が好きであったり、野球に夢中になっていたりと好きな事がいくつかありましたが、大人になるにつれ、それらの事はいつしか忘れ、一日を乗り切るのに精一杯になり、趣味と言われる物や、特技と言われる物などに費やす時間などほぼ無くなり、毎日、毎日なんのために一日を過ごしているのかわからなくなる事がありますが、日々の生活の中で息抜きで利用するのが、たまに知り合いと行くスーパー銭湯という事になるのだろう。

クラベールはたまに、この知り合いと月に1回ほどのペースでスーパー銭湯に行くのですが、基本的にはそれぞれ別行動になり、1時間後にお食事何処で集合というような過ごし方をしていた。

何故に、一緒に行ったスーパー銭湯で、別行動をしているのかと言うと、一緒に行く彼は浴場施設ではお湯に浸かる事よりサウナに時間を費やす。一方、僕はと言うとサウナという物は苦手である。そのため必然的に別行動になる。

あの高温多湿の箱の中に入って、何が楽しいのだろうか。息苦しいし、2分、3分も中に入っている事が出来ない。

それが僕のサウナに対する評価であった。

その日は何故か、なんでか、どうかしていたのかもしれない。今となっても理由はわからないが、彼に付いてき、あの高温多湿の悪魔の箱に入って見ようと思ったのです。

2分、3分経過してもう無理である。息苦しいし、これ以上この悪魔の箱の中にいるのは無理である。

でもその日の僕は何故か、我慢の限界まで行ってみようと思ったのです。取り合えず、あの時計が一周するまで我慢してみようという気持ちになった。

残り3分。あと2分。残り1分を切ってからは、心の中で60秒を数えた。いや180秒ぐらいから数えていたかもしれない。

やっとこの悪魔の箱から出れる。と思った矢先、彼は普段入る水風呂には行かず、僕を露天スペースにあるデッキチェアへと誘った。

この日はまだまだ外は寒い季節、早く、露天風呂に入らないと体がすぐに冷え切ってしまう天気の日だ。そんな時、このデッキチェアに寝そべって空を見てみなよ。と声を掛けられ、言われたままに従い青空を見上げる。なんという爽快感だろうか。生まれて来て味わった事がない爽快感。なんだこれはと思うのです。これが俗に言う「整う」という事だろうか。

サウナの楽しみは、悪魔の箱に入る事より、サウナを出た時のこの爽快感を味わう方が醍醐味なのではないかと思ったのです。何故このまだ寒空の下、裸でいられるのだろうか。

この味わった事がない爽快感を楽しんでいると、彼がゆっくり話しかけてくる。

サウナで体が極限までに温まるから、冷たい外気に体がさらされても全然寒くないんだよ。逆にこの冷たい風が心地よく感じるでしょ。

なるほど。

サウナの中で極限まで体を温める事と冷気に体にさらす事はおよそ90度ぐらいの温度差がある。それをわずかの時間で体感するとこの爽快感を得る事が出来るんだよ。

なるほど。

つまり毎回、毎回1200円を払って来ていたこのスーパー銭湯ですが、今まで半分の600円分しか楽しんでいなかったではないかという気持ちになり、600円返してくれ。と心の中で叫ぶ。

しばらくすると、流石に寒くなり、再びサウナに入る。何故か1回目の息苦しさはなくなり、30分ぐらいに感じた12分は12分にしか感じなくなる。

次は水風呂に入って見なよ。

流石に無理だろ。と思ったが、恐る恐る、つま先を水に付けると。不思議と行けるような気持ちになってざぶん。

確かに水は冷たいが、当初の想像よりは冷たくなく、心地よい。今までサウナに入った後に水風呂を入っている爺さん連中を見ながら正気ではないな。と思っていたが、その正気ではない行動を、今自分がしている。

なんて気持ち良いのだろうか。

流石に水風呂に入って外気に体をさらすのはどうかしているだろう。と思える一連の流れが更に、爽快感を味わえる。今まで人生損をしていた気持ちになるから不思議な物である。

なるほど。病みつきになりそうだ。

まだまだサウナ初心者である僕が、なんだかサウナの達人のように話をしているが、帰る頃にはすっかりサウナの虜になっていた。

つまり数時間前の自分がそうなのだが、サウナとは2分、3分入ってでてしまうと、まったくの醍醐味の部分を楽しむ事が出来ないのである。極限まで自分の体を温め、冷気で体を冷やす。この温度差から来る爽快感は、2分、3分でサウナに出るとまったく味わう事が出来ない。

あと少しで人生の折り返し地点に到達しようという年齢までこの楽しみを知らなかったとは、人生損していた気持ちになるのです。あー家にサウナが欲しい。

そんな時、ふわり浜名湖の事を思いだす。

又、遊びに来てね。と言われていたが、毎日の忙しさにその日を乗り切る事に精一杯になっていた僕は、ふわり浜名湖にプライベートサウナがあった事を思い出す。

なんて汚い根性だろうか(笑)

そうだFUWARI HAMANAKOに行こう。

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